植物性プロテインはどんな人に適しているのか?

プロテインはどんな人が飲むものか?
これまで「プロテイン」は、アスリートが飲むもの、筋肉を大きくするためのサプリメントというイメージがこれまで強かったのではないでしょうか。
しかし、「プロテイン」=「たんぱく質」は体を作るものとして重要だということが最近では広く知られるようになり、女性や運動をしない人にとっても身近になってきました。
様々なプロテインがある中で、自分にプロテインは必要なのか、必要だとしたらどんなプロテインが良いのか気にしている方もいらっしゃるでしょう。
プロテインには「動物性プロテイン」(主に乳由来)と「植物性プロテイン」(大豆やえんどう豆由来など)があります。
スポーツニュートリションとして売られているプロテインの多くは乳由来の動物性プロテインです。しかし、プロテインを飲む理由や用途が広がるにつれ、「植物性プロテイン」=plant-based proteinへの注目が高まっています。そんな中、これまでプロテインを飲まなかった女性、特に運動習慣を持たない女性の間で特に植物性プロテインが注目されています。
プロテインとは?
そもそもプロテインとは何でしょう?「プロテイン」=「たんぱく質」の語源は古代ギリシア語の「プロテイオス」です。プロテイオスとは「最も重要なもの」という意味を持つ言葉です。その語源通りプロテイン=たんぱく質とは、私たちの体にとって最も重要なものなのです。
最も重要なものと言われる通り、たんぱく質=プロテインは私たちの体を作る上で欠かせません。筋肉・骨をはじめ皮膚・髪・爪・歯・血液・臓器・ホルモン・酵素もたんぱく質で構成されています。私たちの体は、全てたんぱく質で出来上がっていると言っても過言ではないのです。人体は、およそ10万種のたんぱく質でできていると考えられています。
たんぱく質は食べ物として体内に入ると、一旦アミノ酸に分解され、再び体内でたんぱく質に合成されて機能します。そのため、生き生きと元気な体を維持するには、たんぱく質が不足しないように十分な量を食べ物から摂取しなければいけません。
たんぱく質の必要量
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると、1日に必要なたんぱく質量は、18歳以上男性の場合60g、女性の場合50gを推奨しています。
これはあくまでも1つの目安なので、運動量が多い人や体格が大きい人はもっと摂取する必要があります。また、あまり運動しない人・高齢者はたんぱく質不足になりやすいので、基準より多めに摂取することが望まれます。厚生労働省は「日本人の食事摂取基準(2020年版)」において、たんぱく質の重要性を考慮して高齢者のたんぱく質摂取量をほかの年齢区分よりも引き上げました。
日本人はたんぱく質が不足気味
1日60gのたんぱく質を摂るとしたら、1食あたりおよそ20gのたんぱく質を摂取する必要があります。しかし、思いのほか摂ることができていないかもしれません。
例えば、朝食が6枚切りトーストとコーヒーだったとします。その場合、たんぱく質の摂取量はおよそ6g程度です。昼食がうどんなら、およそ7g程度です。忙しいとよくありがちなこうした食事を続けていると、たんぱく質が不足した状態が続いてしまいかねません。
日本人のたんぱく質の摂取量は、1995年ごろをピークに減少傾向にあります。
国民健康・栄養調査によれば、食べ過ぎが原因の肥満やメタボが問題視される反面、意外にもたんぱく質の摂取量は男女とも各年代で20年前よりも減少しているのです。
たんぱく質は動物性に偏らず、植物性たんぱく質とバランスよく摂取するのが理想です。しかし食の欧米化が進む現代の日本人の食生活は、動物性たんぱく質が多く、植物性たんぱく質の割合が少ないという問題も抱えています。
プロテインで食事をサポート
そんな中、シェイクするだけで簡単にたんぱく質を補うことができるプロテインの人気が高まっています。
プロテインは余計な脂質を含まず効率的に良質なたんぱく質が摂取できるため、運動をする人はもちろんのこと、たんぱく質の不足が気になる人、コンディションを整えたいすべての人の食事サポートに役立ちます。食事が不規則な人や偏りがちな人、ダイエット中の栄養補給やヘルシーな間食にとプロテインは活躍します。
植物性プロテインが適している人
栄養サポートをしたい人に最適な植物性プロテイン
食事がわりや食事のサポートという点で、植物由来プロテインは最適です。
乳由来のホエイプロテインは、吸収スピードが速いため、運動直後に素早く体にたんぱく質を送り届けるのにフィットします。それに対し、植物性プロテインは素早い吸収は期待できませんが、逆に吸収スピードが緩やかなことで、腹持ちの良さが期待できるので、食事がわりやダイエット中の栄養補給には最適です。
健康を気づかう人に最適な植物性プロテイン
植物性たんぱく質が私たちの健康に有意に働くことを、様々な研究が明らかにしています。エネルギー摂取量に対する植物性たんぱく質摂取量の割合が多いほど、死亡リスクや循環器疾患死亡リスクが低いことや、植物性たんぱく質が血圧・体重・血中脂質・インスリン抵抗性などに対して良好な結果を生むことが多く報告されています。
乳製品や動物性食品が苦手な人に最適な植物性プロテイン
たんぱく質の摂取源として優秀な乳製品が体質的にあわず摂取できない方の選択肢になり得るのが植物性プロテインです。また植物性プロテインは、ビーガンやベジタリアンの方など動物性食品を摂取しない方でも良質なたんぱく質を摂取するのに最適です。
大豆プロテインは「畑の肉」と呼ばれるように、動物性たんぱく質に匹敵するアミノ酸バランスを誇ります。また、エンドウ豆プロテインも9種類の必須アミノ酸を全て含み、かつアレルゲンを持たないという優れた特性を持ちます。
インナービューティ、アンチエイジングしたい人に最適な植物性プロテイン
大豆プロテインやえんどう豆プロテインなどの植物性たんぱく質は、「アルギニン」が多いという特徴を持ちます。
たんぱく質は20種のアミノ酸でできておりうち9種類は体内で作れないため、必須アミノ酸と呼ばれます。アルギニンは体内で作り出せる量が少なく、不足分を食事で補う必要があるため「準必須アミノ酸」とか「条件付きのアミノ酸」と呼ばれています。
アルギニンは成長ホルモンの分泌を促す働きがあります。脂肪の代謝を促し、筋肉を強化する効果も期待されるアミノ酸なので、ボディメイクには欠かせません。
またアルギニンは体内で一酸化窒素を作り出します。一酸化窒素は血管を拡張するので動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞など生活習慣病の予防や冷え症改善や血流アップに伴う美容効果も期待されています。
植物性たんぱく質は、動物性たんぱく質よりもきれいな体づくりや美容、アンチエイジングに欠かせないアルギニンの含有率が高いというメリットを持ちます。
体づくり・筋トレをする人に最適な植物性プロテイン
トレーニング後には、素早く吸収されるプロテインがフィットしますが、吸収が緩やかな植物性プロテインをプラスすることで、血中のアミノ酸濃度を持続的に高める効果が期待できます。体づくりを積極的に行う人の場合は、持続的に血中アミノ酸濃度を高める植物性プロテインの特性を生かして、食間の栄養補給や就寝前に摂取することをおすすめします。
また植物性プロテインは、成長ホルモンを分泌や一酸化窒素を作り出し持久力をアップさせるのに有効なアルギニンを多く含むため、運動を行う人の選択肢の1つとしておすすめします。
植物性プロテインを日常に取り入れよう!
スポーツニュートリションとしてのプロテインという狭い枠組みではなく、体に必要なたんぱく質を効率的に摂取できるたんぱく質含有食品としてプロテインを捉えた場合、植物性プロテインは動物性プロテインにない魅力を多く持ちます。ライフスタイルを豊かにするアイテムの1つとして魅力的なのが植物性プロテインです!