えんどう豆プロテイン、ソイプロテイン、ホエイプロテインのメリット・デメリット

プロテインの選び方

「プロテイン」とは3大栄養素の1つ「たんぱく質」です。しかし一般的には、乳や大豆などの食材からたんぱく質だけを抽出してパウダー状にした、たんぱく質含有加工食品を「プロテイン」と呼ぶのが通例になっています。

一般の食品からたんぱく質を摂ろうとすると、脂質や糖質などその他の栄養素も一緒に摂取しますが、たんぱく質だけをギュッと凝縮して摂取したい場合、プロテインはとても便利な食品です。

プロテインの原材料には動物由来のものと植物由来のものがあります。プロテインを選ぶ際には、これが最も重要な選択基準になるでしょう。

動物性プロテインを選ぶか、植物性プロテインか

動物性プロテインとは

動物性プロテインの中で最もメジャーなのは、乳由来のホエイプロテインです。カゼインプロテインという、牛乳から脂肪とホエイ(乳清)を取り除いた後の不溶性固形成分から作るプロテインや卵由来のプロテインもありますが、プロテインドリンクとして広く一般的に流通しているのは、圧倒的にホエイプロテインです。

植物性プロテインとは

植物性プロテインと言えば、これまでは大豆由来のプロテインが一般的でした。しかし近年は、新しい植物性素材から抽出したプロテインが多く登場しています。

エンドウ豆、ライス、ヘンプ(麻の実)、サチャインチナッツ、そら豆、アーモンドなどから抽出したプロテインなど多彩です。この中でも、エンドウ豆由来のプロテインがいま最も注目されています。

ホエイプロテインとは

ホエイプロテインには、WPC(Whey Protein Concentrate)とWPI(Whey Protein Isolate)があります。WPCはたんぱく質だけでなく、乳糖や乳脂肪分が含まれていますが、WPIは乳糖・乳脂肪分を取り除いています。そのため、たんぱく質の含有率は90%以上と高いのが特徴です。

ホエイプロテインのメリットとデメリット

ホエイプロテインはアミノ酸バランスが良く、特にBCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)を多く含みます。BCAAは主に筋肉で代謝され、筋肉を増やしたり、持久力を向上、筋肉のダメージを回復させるなど、体づくりや運動パフォーマンスアップの効果が期待される必須アミノ酸です。

またホエイプロテインは吸収スピードが速いため、素早くたんぱく質を吸収したいトレーニング直後の摂取に最適です。こうした特性から、ホエイプロテインはスポーツニュートリションとして圧倒的な人気を誇ります。

しかしホエイプロテインは、筋肉の発達や血流向上などの役割を果たすアルギニンというアミノ酸が少ないというデメリットを持ちます。

グラスフェッドミルクのホエイプロテイン

グラスフェッドミルクを原料に採用した健康志向の強いホエイプロテインも登場しています。グラスフェドミルクとは、穀類ではなく牧草を食べで育った牛のミルクです。遺伝子組み換えの穀物を飼料にした牛のミルクを避けたいというこだわりを持つ人の選択肢になるホエイプロテインです。

牧草で育つことで、グラスフェッドミルクはベータカロチンやオメガ3脂肪酸を多く含むと考えられています。オメガ3は、アレルギーや喘息のような炎症性疾患の軽減やダイエットに有効と考えられています。

ただ、オメガ3脂肪酸などは加熱処理に弱いので、プロテインとして加工するときの加熱の影響は否めないとは思われますが、穀類を食べて育つ牛のミルクを避けたい、健康志向の人は注目のプロテインです。

大豆プロテインとは

大豆プロテイン(Soy Protein)は、大豆を原料にした植物性プロテインです。大豆から油脂を取り除いただけのSPC(Soy Protein Concentrate)とSPI(Soy Protein Isolate)があります。SPIは油脂と炭水化物を取り除いたもので、たんぱく質の含有率は高いです。

大豆プロテインのメリット・デメリット

大豆プロテインの吸収スピードはホエイプロテインのように速くありません。そのため筋肥大を望む男性は避ける傾向にありますが、ホエイプロテインにない魅力も多く持ちます。

大豆プロテインはダイエットしたい人にフィットするとよく言われます。それは大豆たんぱくが「βコングリシニン」を含み、これがアディポネクチンという通称「痩せホルモン」を増やすと考えられているためです。アディポネクチンは糖や脂肪の消費をサポートする働きが期待されるホルモンです。

また、大豆プロテインは冠状動脈疾患のリスクを減らすということで、アメリカ食品医薬庁(FDA)は健康強調表示を認めています。

女性ホルモンに似たイソフラボンを含むという点では、大豆プロテインは女性人気が高いプロテインです。

ただ、イソフラボンの作用を否定的に捉える人、大豆アレルギーを持つ人は摂取できないのが、大豆プロテインのデメリットに挙げられます。

えんどう豆プロテインとは

大豆のようにイソフラボンを多く含まず、アレルゲンにもなりにくいことで人気があるのがエンドウ豆プロテイン(Pea Protein)です。豆ご飯でおなじみのグリーンピースではなく、黄色エンドウ豆から抽出されるプロテインです。近年、アメリカではプロテインドリンクのみならず、フェイクミートの原料などにも採用され、人気を得ています。

エンドウ豆プロテインのメリット・デメリット

えんどう豆プロテインは、9種類の必須アミノ酸を含む全18種類のアミノ酸をバランスよく含む良質なたんぱく質です。

エンドウ豆プロテインは、筋肉増強、運動時のエネルギー源として不可欠なBCAA、成長をサポートするリジン、非必須アミノ酸ながら成長ホルモンの分泌や、一酸化窒素の生成に欠かせないアルギニンが多いという特徴があります。アルギニンは血流をアップし、酸素や栄養素の運搬をスムーズにするので、持久力のアップにも寄与すると考えられています。

エンドウ豆プロテインはメチオニンの含有率が低いので、アミノ酸スコアは100を切りますが、プロテインドリンクとして設計されたものは、メチオニンの多いライスプロテインをミックスしてアミノ酸スコアをアップさせているものもあります。

アルギニン量がホエイプロテインを凌駕することもあり、アメリカではえんどう豆たんぱくを用いたスポーツニュートリションが人気になっています。

ホエイプロテインに比べると吸収スピードが緩やかですが、カゼインよりは吸収スピードが速いのが特徴です。ホエイプロテインよりも血中のアミノ酸濃度を持続的に高められることをメリットとして生かすと良いのではないでしょうか?

アメリカでは環境問題への関心の高まりから、環境負荷が低いエンドウ豆プロテインに注目が集まっています。たんぱく質のクオリティを示すアミノ酸スコアの高さ、健康や運動機能に寄与するアルギニンの多さ、中程度の吸収スピード、環境負荷の少なさ、アレルギーリスクの低さなど多角度で評価した場合、エンドウ豆プロテインの優秀さが際立ちます。エンドウ豆プロテインは、今後ますます注目のプロテインになることでしょう。

目的やライフスタイルにフィットするプロテインを選ぼう!

ホエイプロテイン、大豆プロテイン、エンドウ豆プロテインそれぞれのメリットがありデメリットがあります。自分の目的やライフスタイルにフィットするプロテインを選ぶことが大切ですが、その際に重要なポイントは、たんぱく質原料だけでなく多角度の判断基準です。

同じたんぱく質原料を採用していても、製造方法の違い、付加価値として加えられている成分の違い、甘味料や香料などの副原料の違いで、クオリティに差が生じます。

毎日飲むものだからこそ、味はもちろんのこと使われている原材料やコンセプトに共感できるプロテインを選びたいものです。

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