食べるプロテイン「たんぱく質をおぎなうふりかけ」を作った理由(前編)

ご飯を食べちゃいけないの?
レストランで隣席になった、70歳くらいのご婦人の会話に驚いたのがきっかけでした。
「ご飯を食べちゃダメなんでしょ。私、食べないようにしてるのよ。」
心の中で「えっ!」と叫ぶ。
「ちょっと待った!ご飯を食べちゃいけない?この世代の方までも!」
日本人の健康を害したのは「ご飯」ではない
「糖質オフダイエット」がブームになってから、「日本人のご飯離れがますます加速しているのでは?」と思います。
糖質を減らす減量方法は、一時的に体重を落とすのに有効です。どうしても体重を落とさなければいけない理由があれば、選択肢として「あり」だと思います。かく言う私も、減量の際には糖質をコントロールします。
とはいえ、糖質=絶対ダメというのは、「ちょっと、待った!」です。
日本の伝統的な食はご飯を軸に「一汁三菜」。
簡素ながらも栄養バランスに優れた日本食は、世界でもお手本にされています。
しかし皮肉なことに、豊かになった現代の日本の食卓は、ご飯よりも肉や肉加工品の量が格段に多くなりました。いわゆる「食の欧米化」です。
多様な健康問題が生じてきたのは、こうした中でのことです。
少なくとも、「肥満」「メタボ」とか「生活習慣病」が社会的なテーマとして可視化したのは、伝統的な食習慣が崩壊した後のことです。
つまり、大きな流れでいえば、日本人の健康を害したのは、決して「ご飯」ではない・・・
ご飯の欠点はリジンの不足
ご飯は糖質だけでなく、たんぱく質をはじめ、多様な栄養成分を含みます。
茶碗1杯およそ150gのご飯には3.75gのたんぱく質が含まれます。
ご存知のようにたんぱく質は、筋肉・骨・皮膚を始め、血液や酵素など、体全てを作る材料です。
ただお米は、たんぱく質を構成するアミノ酸のうち、「リジン」が不足するため、パーフェクトとはいえません。
そのためご飯だけをモリモリ食べていては、たんぱく質の利用効率が悪く、栄養バランスを整えることはできません。
ご飯に納豆は先人の知恵
朝食の定番「納豆」。
炊きたてのご飯に納豆、は黄金の組み合わせです。
日本の食事には「納豆」をはじめ、味噌や醤油などの豆加工食品が多いですね。
実は、豆に含まれるたんぱく質はご飯に足りない「リジン」を多く含むのです。
つまり、ご飯に納豆を合わせることで、ご飯のアミノ酸バランスが向上し、たんぱく質の利用効率がグッと上がります!
まさに「先人の知恵」。
ご飯+豆加工品は美味しいだけでなく、栄養的にも最高のマリアージュというわけなのです。
それなら、簡単にしてしまえ!
ご飯に納豆の組み合わせが「最高」だったとしても、現代の多様なライフスタイルにマッチしにくいのも確かです。
それなら、いつでもどこでも誰でも食べられるように「簡単」にすれば良い。
どうやって?・・・・
そこで、思いついたのが、スポーツニュートリションの代表「プロテイン」をご飯にかけるというアイディア。
ご飯にかけるプロテイン(なんか、まずそう・・)でも、豆のプロテインなら、たぶん美味しく出来るはず。
ご飯にかけるのだから、「ふりかけプロテイン」!
「ふりかけプロテイン」という夢想を巡らしてから1年。
ようやく夢が現実の商品になりました。